本・エンタメ

今更ながら「おカネの切れ目が恋のはじまり」を見る

fujiwaraさんによる写真ACからの写真

TBSドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり

出演:松岡茉優 三浦春馬 三浦翔平 北村匠海 南 果歩 草刈正雄 キムラ緑子
脚本:大島里美


次クールのドラマがとっくに始まっていますが、カネ恋の録画をまとめて見ました。

前から楽しみにしていたのですぐに見たかったんですが、すぐに見るには辛くて。

楽しそうな内容だけによけいに辛くて。

三浦春馬さんは「わたしを離さないで」や「直虎」の演技がとても好きでした。

かっこいいのにどこか欠けている役がはまっていて、そのずるさや弱ささえも魅力的に思えてしまう。

うつろう感情さえもその表情や揺れる瞳に現れていて。

素晴らしい俳優でした。

もう過去形になってしまったのが本当に悲しい。

ファンでもない私にできるのは、フラットな気持ちで彼の作品を見ることだけなんでしょうね。

さて、ドラマの話です。

脚本は「凪のお暇」の大島里美さん。

ヒロインは(もう絶対に上手い安定の)松岡茉優さん。

これが面白くないわけがない。

おカネの価値ではなくモノの本質を大切にする“清貧女子”の玲子さん。

一緒に暮らす母親は民宿を営んでいて、そこへとことんルーズな“浪費男子”の慶太が転がり込んでくることに。

正反対の2人がおりなすラブコメディ。

2人が出会うことで変わったこと、変わらないこと。

2人のやりとりがとっても楽しい。

慶太の両親役の草刈正雄さんとキムラ緑子さんのやりとりも楽しい。

毎回冒頭に方丈記の一節が草刈正雄さんのナレーションで入るんです。

これもすごくいいんですよ。

しみじみまったり。

とても丁寧に作られているドラマです。


清貧女子の玲子さんは、人とも世間とも距離を取って生きている女性。

職場の人にも「世捨て人」と言われるほど。

1個130円のくるみクッキーを1つだけ買い、持参したほうじ茶といただきながらつぶやく。

「ああ、良き」

そんな玲子さんにも、15年間片思いしている人がいて、お金にまつわる辛い過去もあったりして。

それでも「お金を嫌いにならないでください」と言える優しさも強さもある。

浪費男子の慶太はおもちゃメーカーの御曹司で、父親である社長からお金の勉強のために玲子さんの所属する経理部に左遷(笑)されてくる。

天真爛漫な慶太だけど、人を楽しませるおもちゃを作りたいという夢もある。

ただの浪費家ではないんですね。


このドラマのことをブログに書こうと思ったのは、最終話が特に素晴らしかったから。

当初全8話予定だったものを、突然の訃報で全4話に脚本を構成しなおしての放送。

最終話には慶太はほぼ出て来ません。

3話の最後であんな可愛いキスをしておきながら、次の日フラッとどこかへ出かけてしまったまま帰ってこない慶太。

その人の不在をなんとなく寂しく感じながら、父親を探しに行く玲子さん。

電車の中で、駅のベンチでも慶太のことが気になる玲子さん。

途中合流した慶太の後輩ガッキーは、

「ほんと迷惑な人だけど、なんか嫌いになれないんですよね」
「すぐへらっと笑って、ひょっこり帰ってきますから」

と。

慶太の両親も玲子さんの家を訪ねてくるけど慶太は不在。

主のいない部屋で息子の話をする夫婦。

「慶ちゃん、ママはいつだって慶ちゃんの一番のファンだからね」

じんわりとしみるシーンです。

最終話では慶太が殆ど出てこないからこそ、その存在がくっきり浮かび上がってきました。

その夜しみじみと慶太を思う玲子さん。 

「どうして私はこんなにあの人のことが気になるんでしょう。

 思えば出会った時から果てしなく迷惑で、この上なく、ほころびだらけで。

 でも、思えば猿渡さんはいつも、いつも、いつも優しかった」

「どうしてか、さみしいみたいです」

「会いたい、みたいです。猿渡さんに」

そのまま寝入ってしまいます。

静かな夜は月を見る
猿の声を聞いて涙をこぼす

まるで篝火みたいに
草むらには蛍が飛び交い

夜明け前の雨は
風に舞う木の葉に似ている


次の日の朝。

家の扉が開き、誰かが家の中に入ってくる。

姿は映っていないけど、ドラマを見ている誰もが「彼」だと分かっている。

そして玲子さんの前へ。

玲子さんの満面の笑顔。


素晴らしいラストでした。

笑顔を向けられた方もきっと満面の笑顔。

あの笑顔。きっと。

EDの最後には、

春馬くん ずっと大好きだよ キャスト・スタッフ一同のメッセージが。

この素敵なドラマがお蔵入りにならなくて本当に良かった。

彼のこの笑顔が見られて本当に良かった。

発売中のシナリオブックには、放送された全4話の脚本のほかに、当初予定だった全8話分の脚本も載っているそうです。

これは気になる。

もう1つのラストも知りたい。

そっちもとても幸せな気持ちになるだろうから。

きっと。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへ
にほんブログ村

-本・エンタメ

© 2021 月夜に散歩